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全豪観戦記(2018年1月21日)

今日から、男子シングルス、女子シングルスも4回戦になります。

試合数が少なくなりますが、密度の濃い試合が多くなります。

土日ということで、人も大変多く、大混雑でした。

今日は、キリオス戦を観戦中、隣に座った人に話しかけられました。

キリオスは、地元のオーストラリア人。

やんちゃ坊主ですが、自国の人からみたら、魅力的に感じるようで、大変人気があります。

その隣の人は、地元メルボルンの人で、テニスが大好きのようでした。

ヒーゴット、36 アイス 

といって、喜んでいるのです。

アイスってなんのこと? 氷?

と思いましたが、しばらくしてわかりました。

これは、オーストラリア英語なのです。

エイという発音がアイになります。

テレビを見ていても、トゥデイが、トゥダイと平気で言っています。

アイスとはなにかというと、エースのことでした。

今日のキリオスは、サーブがキレキレで、サービスエースが40本近くもあったようです。



今日は、いつもデイセッションだけでしたので、ナイトセッションのチケットも窓口で買っておきました。

終日、合計、5試合、観戦予定です。

11時から、マーガレットコートアリーナに向かいました。

全豪会場のアリーナの中では、一番狭く、6000人収容です。

それで、少し奮発して、一番前の席を取りました。

会場へ行ってみたら、審判席の真後ろでした。

選手が座るベンチからも近く、

これは、タオルが投げこまれたら、とれるかもしれないなあと思いました。



最初の試合は、女子ダブルスの試合です。

ロディオノワ(豪)キチャノク(ウクライナ) × 第10シード、ベグ、ニクレスク(二人ともルーマニア)

普通、女子ダブルスがアリーナで試合を組まれることはないのですが、地元オーストラリアの選手がいることの配慮だと思われます。

試合は、シードペアのコンビネーションが良く、長身のベグがよくポーチボレーを決めていました。

逆にオーストラリアペアは、凡ミスをしたり、思い切ってボレーにでるとミスをしたり、ちぐはぐでした。

1-4 でオーストラリアペアがリードされているところで、ロディオノワが足を負傷してしまいます。

明らかに重症のようでした。多分、ふくらはぎの肉離れではないかと思います。

治療をして、プレーを続行しましたが、とてもできる状態ではなく、棄権しました。

顔を覆って泣いていました。

地元開催ということで、地元の期待に応えたかったのでしょう。



第2試合は、第6シードのチリッチ(クロアチア)と第10シードのカレーニョブスタ(スペイン)との対戦です。

チリッチは、全米で錦織を破って優勝、昨年のウィンブルドンでも準優勝の実力者です。

カレーニョブスタは、錦織と同年代で、最近実力をあげてきた選手です。

昨年末のATPツアーで、ナダルの負傷により繰り上げで試合をしました。

私もそのとき、初めて見ましたが、臆することなく、いいテニスをしていました。

トップテン同士の戦いです。

P1050861.jpg

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第1セット

5-3 でチリッチのサービングフォーザセット。

15-30 からチャンスボールを大きくはずしてしまい、それで、流れをカレーニョブスタに渡してしまいます。

そのゲームをとることができず、追いつかれます。

5-4でチリッチリードで、カレーニョブスタのサーブゲーム。

ブレークのピンチを防いで、カレーニョブスタ、驚異的な粘りを発揮します。

その後、6-6 のタイブレークに。

流れをつかんだ、カレーニョブスタが、タイブレークを取りました。

第1セットは、カレーニョブスタ先取。面白くなりました。

第2セットは、チリッチが実力を発揮し、あっさり奪い返し、1-1 のセットオール。

カレーニョブスタ、ドロップショットを多様するのですが、ネットにかけたり、拾われたりでどうも確率がよくありません。

カレーニョブスタは、ポーカーフェイスで、人のよさそうな顔をしています。

ファーストネームがパブロといい、「パブロ~」 と声援が飛びます。

チリッチは、ご存知のとおり、求道者のような雰囲気でニコリともしませんが、失敗するとなにやらブツブツ言っています。

第3セットは、逆にカレーニョブスタのサービングフォーザセットをチリッチがしのぎます。

ギリギリのところで、かわして、第1セットと同じくタイブレークになりました。

今度は、チリッチが1ポイントも取られることなく、タイブレークをものにしました。

セットカウント2-1 でチリッチリードします。

第4セットは、お互いに途中ブレークが一つずつあり、またもタイブレークになります。

カレーニョブスタは、派手さはありませんが、とにかくあきらめない粘りの選手です。

しかし、やはり、チリッチのほうが、最後のところでポイントをものにします。

第4セットのタイブレークもチリッチがとり、セットカウント3-1 でチリッチの勝利となりました。

チリッチが、座席に向かってリストバンドを投げようとしました。

すると、一番前の席の私と目が合いました。

あなたに投げるよ、という顔をして、私に投げてくれました。

IMG_0996.jpg
(上のチリッチの写真で実際に身につけていたのがわかります)

感激でした。

よく、テレビで見る光景ですが、まさか自分が受け取るとは。

理由はなんとなくわかります。

私は、ユニクロの錦織モデルのテニスウエアを着ていました。

チリッチは、錦織と何度も対戦しているので、すぐにユニクロのウエアだと気づいたのだと思います。

この、テニスが人一倍好きであろう東洋人にどうぞ、という気持ちだったのでしょう。

よく、適当に投げ入れて、観客同士が争ったりしています。

チリッチは、他にもタオルを、アイコンタクトをしながら、丁寧に渡していました。

誠実な人柄がうかがえました。
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